Link and Motivation Developers' Blog

リンクアンドモチベーションの開発者ブログです

「ゆるい情報共有」や「気軽なアウトプット」が溢れる文化を目指した取り組み

はじめに

こんにちは!Motivation Cloudのエンジニアをしています、宮田と申します。

Link and Motivationには2022年3月1日に入社しました。


突然ですがこちらのグラフをご覧ください。

Qiita Teamの記事の投稿数の推移
Qiita Teamの記事の投稿数の推移

これは弊社の開発組織に導入したQiita Teamの記事の投稿数の推移です。

Qiita APIから取得したデータを元にダッシュボードを作成していて、ここからKPIを確認しています。

少しずつ浸透をしてきて開始4ヶ月(トライアル期間含む)で200記事を超えました🎉

本記事では、ゆるい情報共有や気軽なアウトプットをする文化をつくってきた過程をご紹介します。参考になれば幸いです。

なぜ社内wikiを導入したのか

私は、同僚の知見を聞いたり、自分が良いと思ったことを共有するのが好きです。

また、ポエムや怪文書も好きです。

ですが、入社して2週間で上記のようなことを投稿する場がないことに気づきました。

前職では社内wikiの文化が育っていて、それがとても楽しく有用であると感じていたので、現職にも導入したいと思ったのが導入のきっかけです。


この会社に入って感じたのは、メンバー間で現在取り組んでいるOKRタスク以上の技術的な話をする機会が少ないことです。サービスが提供しようとしてる世界観には共感しワクワクしているのですが、それを実現する技術に対してはワクワクしていない気がします。 各々のメンバーが、気ままに試した技術や興味のある技術、前職で経験したベストプラクティスを共通知として気軽にシェアする場がないです。 全メンバーが、上記のようなことに興味がないわけではなく、Confluenceには個人の実験の後や知見のシェアがあったり、timesでアウトプットしているメンバーもいるので、単に場がないので共通知になりづらいだけだと予想しています。

上記は提案時のメモです。

今見ると結構強い言葉を使っていますがこの文章のままEMに相談しました🙏

数あるサービスの中でなぜQiita Teamなのか

NotionやKibelaDocBaseesa等を検討しましたが最終的にはQiita Teamにしました。

理由は、社内のメンバーの多くがアドベントカレンダーでQiitaに記事を書く経験をしていたからです。

「ゆるい情報共有」「気軽なアウトプット」と言われても経験がないメンバーはそれがどんなものか分かりません。

成功イメージを描けている人も少数だったので出来るだけ認知負荷が低い馴染みのあるサービスを選択しました。


Confluenceにスペースを追加したりGitHubで管理することも考えましたが、業務で使っていて変わり映えがなく遊び心に欠けると判断したため却下しました。

振り返ってみると欲しかったのは機能やツールではなく、アウトプットを楽しむ文化だったように思います。

自分も最初の提案時はQiita Teamを使うことになるとは思っていませんでしたが、出来るだけ認知負荷を減らして成功体験を積むという意味ではQiita Teamは良かったと思っています。

取り組みの過程

時系列でどのように話が進んだのかを振り返ってみます。

提案期: 3月上旬

自分のオンボーディングをしてくれたメンバーから後押しをもらってEMに提案しました。

まずは少人数のトライアルで試してみようという話になりました。

(その場で予算もらえると思っていたので若干凹みました。笑)

当時のSlackのやりとり
当時のSlackのやりとり

サービス選定 & トライアル期間: 3月中旬~4月中旬

興味のありそうなメンバーに声をかけて候補のサービスを試してもらいました。

Qiita Teamに決めた後は30日のトライアル期間で他の人が使ってくれるか検証しました。

30日間で40記事(アカウント数10名ほど)が投稿されたのとCTOに強くお願いした結果、予算が降りました!

自分が最初に想定したよりは流行らなかったのですが、EMの想定よりも記事を書いてくれる人が多かったそうです。

記念すべき最初に投稿された記事
記念すべき最初に投稿された記事

導入期: 4月下旬~5月

開発組織に所属するメンバーは80名ほどいるのですが、全員分のアカウントを購入するのではなく希望者にのみアカウントを配布しました。

当時は以下のことをやっていました。

  • 記事の投稿が通知されるSlackチャンネルの作成
  • CTOに記事を書いてもらう
  • 自分が週に2本以上記事を書く
  • 全員が参加する朝会でQiita Teamの導入背景を説明
  • 全員が参加する朝会で良い記事をピックアップして紹介(2週間に1回の頻度で継続しています)
  • CTOと自分が全ての投稿にリアクションをする


この頃に若手メンバーがポエム(=チームのビジョンを語る)を投稿してくれました。

ボトムアップで意思を表明する機会になったら良いなと思っていたので、個人的には大きな手応えを感じた瞬間でした。

活用してくれてありがとう!

感慨深かった投稿
感慨深かった投稿

拡大期: 6月~

この頃にはアカウント数が50を超えました。

Qiita Teamに投稿されたものが社内のLTイベントで使われたり、テックブログに転載されたりしました。

毎日1,2本は誰かが投稿をしてくれるようになりました。

またエンジニア以外にも使ってくれるメンバーが出てきました。

定着期: 7月~

業務委託で参画してくれているメンバーにもアカウントを配布するようになりました。

自分が意識して盛り上げなくてもコンスタントに記事が投稿されるようになりました。

現時点では記事の質は問わず、まずは投稿数のみをKPIとして追っています。

良かったこと

組織編

社内のメンバーにヒアリングしてみました。

アウトプットの最初の一歩のゴールが明確になった

何か小さなアウトプットや情報共有をしようと思った時に、SlackやConfluenceではどこで共有すれば良いか明確ではありませんでした。

社内の全員が認知する共通のアウトプットの先ができたので書きやすくなりました。

他メンバーを知る機会が増えた

チーム外のメンバーがどんなことを知っているか、どんなことが得意か知る機会が増えました。

またコメントやリアクションを通してのコミュニケーションは意外な一面を知る機会になりました。

ポエムを通してメンバーがどんなことを考えているか知ることが増えました。

インプットをするきっかけになる

Qiita Teamに書くネタを見つけるためにインプットが増えました。

インプットのきっかけになっています。

インプットが増えた

Tipsや技術を知る機会が増えました。

楽しい

😍

個人編

振り返ると推進した自分が一番恩恵を受けていました。

社内で自分の顔を覚えてもらえた

入社して間もないですが、社内でQiita Teamの人と認知してもらました。

おかげで仕事が進めやすいです。

たまに「Qiita Team以外なにしてるんですか?笑」と聞かれるのでプロダクト開発も頑張ります😇

自分のアウトプットが加速した

現在Qiita Teamの投稿数は自分がNo.1です。

言い出した自分が手本を見せなければと思い、自分のインプットとアウトプットが加速しました。

課題

良いことばかりを書きましたが当然課題もあります。

サービスの使い分けのルールが曖昧

これは自分の反省なのですが、Confluenceとどう使い分けるのかが曖昧になっています。

長期的にメンテナンスしていく情報はConfluenceにまとめていく方針ですが、ガイドラインが整備されていません。

アウトプットが習慣化したらQiita Teamは解約しても良いかもと考えているので、来年にはConfluenceに統合しているかもしれません。

ドキュメント管理にNotionを使っているチームも少数ですがあるので、Notionでも良いかもしれません。

欲しい情報にすぐアクセスできる環境を整えたいです。

記事を投稿するメンバーは限られている

何だかんだ20-30%のメンバーが多く記事の投稿をしてくれているのが現状です。

もっと裾野を広げたいと思っています。

一度投稿してリアクションをもらう経験があると、その後も投稿してくれる傾向があるので最初の一歩をサポートしていきたいです。

終わりに

自分が組織の文化の形成を出来ればやりたくないと思っていました。面倒なので。

ですが自分が使いたいサービスを導入するために期せずして文化形成を推進することになりました。

結果、色々なメンバーに感謝してもらったり、自分の最初の一歩が他の人を動かしたりと、とても楽しい経験ができました。

今ではやって良かったと心から思えます。

まだまだ未成熟な文化なので今後も育てていきたいと思います!