はじめに
こんにちは。リンクアンドモチベーションでUI/UXデザイナーをしている辻井です。今日は、掲題の通り、デザインチームで取り組んでいる「輪読会」についてご紹介します。
2019年10月にインハウスのデザインチームが立ち上がったのですが、そこから足掛け3年、デザインやプロダクト界隈を中心に様々な本を読んできました。「3年」という期間も、「40冊」という冊数も、なかなか類を見ない施策に育ってきたのではと思い、取り組みのポイントをまとめてみた次第です。
取り組みの概要
取り組みの要点をまとめると以下のような形です。
- 読む本は、みんなで決める
- 週に1回の定例MTGを実施し、そこで感想や気付きをシェアする
- 1回あたりの分量は、「60~100ページ」程度。1ヶ月で1冊読み終わるくらいのペース
一つ、特に意識していたことでいくと、「どんな本を選ぶか」は、妥協せずに決めてきました。
「本当にみんなが読みたいと思っている本を読む」「一つのジャンルやテーマに縛られず、幅広く書籍を読む」ということを意識して、それぞれの興味関心に添いながらインプットが偏らない状態を目指しました。
加えて、取り組みが「持続可能」になった要因は、以下のあたりにあると考えています。
- 事前準備のハードルを下げる(Kindleのマーカーをそのまま共有する人もいるし、感想ツイートをもとに喋る人もいる)
- 本業が忙しければ、欠席やオブザーブもOK
輪読会というと、「本業につなげて明確な成果を出さなければ」とか、「全員がしっかりと準備をして万全の状態で臨まなければ」という状況に陥りやすいように思います。
ただ、僕たちが輪読会で実現したかったのは、「デザインやプロダクトづくり、プロジェクトマネジメントなどに生かせる世の中の知見を、チームで持続的にインプットし続ける」ことだったので、極力ハードルを下げる方向で施策を設計しました。
なので、2~3冊欠席している人もいましたし、「今週ごめんなさい!オブザーブで!」ということも珍しくありません。「それでいいっしょ!」という前提で取り組んでいます。
やってみて良かったこと
大きく分けて、3つの効果があったかなと思っています。
①共通言語ができ、議論がスムーズになった
デザインプロセスや仮説検証の作法など、日々の業務とつながる書籍を幅広く読み漁ってきました。結果として、同じ言葉やフレームワークを理解していることで、仕事がスムーズになりました。「この考え方は、お互いわかってるもんな」という状態になることで、協働しやすい状態が実現できました。
②インプットすることが文化になった
これは会社やチームによりけりだと思うのですが、書籍やWebを通じての情報収集に積極的な人と、少し後ろ向きな人と、どうしても温度差が生じてしまいがちではないでしょうか。
1ヶ月に1冊というのは、決して多くはありませんが、毎月積み重ねていけば相当な分量になります。チームで本を読んで、学びをアウトプットするという取り組みを継続したことで、インプットが少しずつ文化になったように思います。新たな知見をインプットし、自分の学びに転換するという営みへの心理的ハードルが下がったことで、みんながストレスなく学び続けるチームになってきました。
③相互理解が深まった
「本を読む」という活動の面白いところでもあると思うのですが、同じ本を同じタイミングで読んでも、感銘を受けるポイントや印象に残る観点がまったく違っていたりします。
「この人は、こういう風に読み解くのか」「自分はそんな風には感じていなかった」などなど、それぞれの感想や気付きをシェアすることで、自己理解・他者理解の思わぬ発見をすることが何度もありました。これも、チームで取り組んできたからこその成果だったと思います。
さいごに
いかがだったでしょうか。「輪読会はやりたいけど、継続するイメージが持てない」といったお声を聞くことも多いのですが、工夫次第でチームを前進させる強力な打ち手になると思います。
もしよかったら、参考にしてみてください!