イントロダクション
こんにちは、リンクアンドモチベーションでデータサイエンスの部署に所属しています、白田(@motoshira20)です。 昨年末から大人気のchatGPT、皆さん活用されていますでしょうか。
弊社では本日2023/03/07、これまで提供してきたモチベーションクラウドにChatGPTのAPIを活用した新機能のβ版をリリースしました!
幸運にもこの機能の開発にも関わらせて頂いていたのでこれについて語りたいところですが、詳細はまたどこかで書ければと思います
僕がChatGPTを知ったその日、奇しくもその日はサッカー日本代表がW杯でスペインに勝った日と同じ日で世間はそっちに話題が持ちきりでした。 ただ個人的にはサッカーもすごいし好きだけど、正直それとは比べ物にならないくらい、産業革命に直面してるぞ!位の衝撃を受けました。
既存の仕事の多くが形を変える日も近い。AIをうまく使える個人、企業が生き残る世界に突入してます。
そこで本日は弊社の開発部署内で初の「ゼミ」にて取り扱ったChatGPTの活用法についてお伝えします!
ゼミ制度とは?
これまで、弊社の開発組織では月1程度で毎回2,3人の有志が代わる代わる自チームの業務での学びを共有する勉強会を行ってきました。 しかし今回は以下の流れで新しい試みとして、テーマを「ChatGPTを活用した生産性向上」とした「ゼミ」を開催しました。
- テーマを決める
- テーマに対して知見を共有し合う
- 勉強会で発表者がサマリーを発表する
簡単にChatGPTってどんなもの?
ご存じの方が多いかもしれませんが、念の為確認しておくとChatGPTはOpenAI社が作った対話型AIで、ユーザの様々な質問や命令に高度に対応してくれるものです。 特徴としては手前の文から確率的にありそうな続きの文字をどんどんつなげていくことを得意としています。 例えば 「昔々」と文章が始まったら、「あるところに」→「おじいさんとおばあさんが〜」が続くよなぁと日本人の多くが考えるのと同じ感じだそうです。
ChatGPTで得たい答えを得るための基本的なTips
本当に便利なChatGPTですが、たまにちんぷんかんぷんな答えをそれっぽい口調で話してくることもあり、得たい答えを得るためにはいくつかのポイントを抑える必要があります。
1. 可能性の限定
- テーマを狭める
- 役割を決める
- プロフェッショナルなライターとして
- 売れっ子のコピーライターとして、
- イケイケデザイナとして
品質を限定する
- バズりやすい〜を教えて
- エモい〜を教えて
これらのtipsを踏まえて、以下がnote CTO深津さんが考案した深津式prompt(紹介されたセミナーがこちら)と呼ばれる入力用の文章で、この入力するようにすると精度が上がると考えられます。スニペットなどに登録して使用すると良いと思います。
# 命令書: あなたはプロの[役割]です。 以下の制約条件と入力文をもとに[出力文]を出力してください。 このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は、質問をしてください。 # 制約条件: • 文字数は300文字程度。 • 小学生にもわかるように。 •重要なキーワードを取り残さない。 •文章を簡潔に。 # 入力文: [入力文章] # 出力文:
2. ベストプラクティスを聞き、それを前提に質問する
- 「〜の設計して」ではなく
- 「〜の設計で大事なこと5つ教えて」→「上記5つを前提として上で、〜の設計して」と聞く
有識者によるナレッジ集
上記の基本的なtipsだけでも十分、生産性を向上させ得たい答えを得ることが可能になりますが、ここからは弊社のゼミchannelに集いし有識者によって蓄積されたさらなるChatGPTに関するナレッジ、AIを活用したサービスをご紹介します。 有識者の皆様、惜しみない知識の共有ありがとうございます!
1. 関数作ったり、命名決めたり出来るで!
- 壁打ちしながら決められるの改めて良いですね
2. SaaSPrompts
- SaaSプロダクトの開発者、デザイナー、プロダクトマネージャーに役立つprompt(入力文)が蓄積!
- 全部英語だけどdeeplとかも使って翻訳しながら使えそう
- 一旦英語で打って、その後「日本語で翻訳して」と言うのもあり
3. ChatGPTをスプシ(GAS)で使う!
- 当たり前ながら数100リクエスト一気に送ると止まっちゃうのが難点
- タスクの洗い出しとか投げるには良いかもしれません
4. SciSpace by Typeset
- 英語の論文要約、解説してくれる
最新の技術トレンドのキャッチアップがめちゃくちゃ容易に・・・!
そういえば最近似たようなサービスで無料で自前のpdfをアップロードしてそのpdfの内容を使いながら会話できる、みたいな別サービスもリリースされてました
5. Perplexity AI
https://www.perplexity.ai/www.perplexity.ai
- chatGPTと異なり、ちゃんとした論拠をもとに答えてくれる検索サービス
- 最近google chromeの拡張機能も追加されたらしいので要チェック!
- インターネット検索だけでなく、現在のページへの質問、PDFへの質問ができ、同じドメインの情報を集約した回答の生成も可能とのこと
6. auto-commit
- コミットメッセージとか諸々勝手に書いてくれる
- 【注意】本番コードを送ることになるから業務では使いづらいですね
7. ブレストまとめるのに使える!
- メンバーごとに思ってることをまとめたり要約したり
- 意見出して「結局誰がどんな意見なんだっけ?」をまとめるのに確かに使えそう
8. 議事録の書き出し&サマリ
- 今後議事録を取る仕事は本当になくなるかも(最後のチェックだけになるかも)
9. 自分が苦手なこと聞いてみよう!
- 精神負荷が高いものを代わりに作ってもらってあとはコピペだけだと確かに気持ち的に楽そう。
番外編
1. 猫耳モード
- 語尾を可愛くすることができるニャン
2. 方丈記をプログラミング
- 川の流れをプログラミングしてくれる・・・?
#ChatGPT に、『方丈記』の書き出しをプログラミングしてもらった。
— 読書猿『独学大全』14刷26万部(紙+電書) (@kurubushi_rm) 2023年2月11日
「このコードは、川の流れを再現するものです。river_flow関数は、川の流れを引数として受け取り、元の水に到達するまで繰り返して、最終的な流れを返します。」 pic.twitter.com/D9hIWX0z9O
3. ChatGPTにギルガメッシュ王の人格を与えるには?
- いたこ芸みたいなことも出来る
- 好きなキャラと会話してみましょう
注意点
必ず正しい答えを出してくれるわけではない
- 現時点では確率的に最も確からしい(2021年時点)情報を出すだけなので嘘つく可能性も往々にしてある
機密性の高い情報は乗っけないようにしましょう
- 本番コードとかコピペして「テストコード書いて」とかやらないように気をつけましょう(出来てしまうのでやりたくなってしまいますが)
- 学習に使われる可能性があります
- amazonの社外秘であるはずのデータに非常に似たレスポンスを返した例が確認されているとのこと
- 参考:
アマゾン社員が業務でChatGPTを利用する事案が発生。「機密情報を共有しないように」と顧問弁護士が注意喚起 | Business Insider Japan
まとめ
- ゼミ制度について
- 改めて初めてのゼミ制度でしたが、自分ひとりではたどり着かないような情報もみんなで強力しながらを集めて、最後に組織の知見とすることが出来るという意味で凄い良い取り組みだと感じました。
- 社内の勉強会の新しいカタチとして今後も継続していけるととても良いなと思いました。
- chatGPTについて
- 使い方には注意しつつも、積極的に使って生産性向上させていきたいです。
- 「これどうすんだっけ、、?」みたいなことは深津式Prompt使ってどんどん質問して、自分の頭を使うべきところに使える様にうまく付き合って行きたいです。