はじめまして、CRE グループの宮崎です。
…はい、わかってますよ?この業界特有のよくわからない略語が出てきましたよね?(ご存じだったらごめんなさい)
まずはこの略語の説明をさせていただきつつ、私たちがどんなミッションを追っているのかを少しご紹介したいなと思います。
そもそもCRE とは?
「CRE」とはCustomer Reliability Engineering(顧客信頼性エンジニアリング)の略語です。
一言で表現をすると「エンジニアとテクニカルサポートとカスタマーサクセスのハイブリッド」です。
まだ日本国内だと「知る人ぞ知る」役割になっているかなと思うのですが、既にメルカリさんやはてなさんでは CRE が存在しています。
日本でその存在が(おそらく)一番最初に紹介されたのは以下の GCP の日本公式ブログです。 https://cloudplatform-jp.googleblog.com/2016/10/google-cre.html
SRE とは何が違うんだっけ?
先ほど引用した GCP Japan のブログ内でも触れられていますが
よく似た略語の SRE(Site Reliability Engineering) は「サイト(サービス)」に対する信頼性に責任を持ち、CRE は「顧客」に対する信頼性に責任を持ちます。
顧客との信頼を確立するためにあらゆることを行うのが CRE のミッションです。
私たちもその考えに共感を受け、自社内に組織を作ることにしました。
「顧客に対する信頼性に責任を持つ」とは?
先ほどあっさりと「顧客に対する信頼性に責任を持つ」と述べましたが
弊社では具体的には以下のことをに取り組むことで、それを実現しようとしています。
- 顧客の問題解決
- 顧客が迷わず利用できるようにするための改善
- カスタマーサクセスチームのケイパビリティ向上
それぞれについて、CRE 内で得意な領域により以下のような役割分担で対応をしています。
- アプリケーション開発に長けたエンジニア部隊
- 顧客コミュニケーションに長けているテクニカルサポート部隊
今回はその中でエンジニア部隊がどんな取り組みをしているかご説明します。
取り組みの内容
顧客の問題解決
カスタマーサクセスチームが日々顧客からいただく利用の上での困り事や相談などに対応しています。
カスタマーサクセスではプロダクトに関する知識と共に専用の動作検証用の環境にて顧客のオペレーション内容を再現しながら問題解決を図っています。
(この問題解決の支援をテクニカルサポート部隊が行っています)
が、それらを用いても解決できないようなやや複雑な仕様の確認、不具合が疑われる内容の調査をしています。
顧客が迷わず利用できるようにするための改善
やや複雑であったり煩雑になってしまっている箇所への問い合わせが一定あった場合はその内容を PdM に伝え、仕様の変更を検討、実際に改修をおこなったりします。
不具合疑いを調査した結果、不具合であると判明した場合は緊急度と重要度に応じて対応方針を定めており、その方針に従い対応を行なっています。
カスタマーサクセスチームのケイパビリティ向上
カスタマーサクセスチームが今以上に強みを発揮して高い生産性を発揮できるように、システムの改善はもとより、社内の仕組みの改善も行っています。
システム改善で言うとカスタマーサクセスチームと定期的にミーティングを設け
「こういう改善をしてほしい!」「こんなものがあったらもっと業務がスムーズになる」
といった意見を集めて改善に活かしています。 社内の仕組み改善では利用している Salesforce の機能をさらに使い込めるようにライセンス追加、および利用画面の再設計をするなどしています。
今後取り組みたいと思っていること(目指しているもの)
SLO の精緻化
現在 CRE の信頼性の指標として SLO を定めていて、対カスタマーサクセスチームへの一次回答までの時間と最終的に問題解決までにかかった時間を計測しています。
本当は「顧客への一次回答までの時間と最終的に問題解決までにかかった時間」を計測すべきなのですが、社内で利用しているツール等の都合で出来ずにいます。
なので、仕組みを丸ごと改善する為に全社を巻き込んで、新たな仕組みを導入しようとしています。
仕様検討などはテクニカルサポート部隊が主におこなっていますが、その支援にエンジニア部隊も参画しています。
VoC(Voice of Customer) のさらなる利活用
たくさんのお客様から支持をいただいてご利用いただいているモチベーションクラウドですが、その優位性をさらに高めるべく、継続した改善をおこなっています。
その改善のためにお客様や社内からいただく改善要望をまとめて、それを元に開発計画を立てています。
元々組織/人材コンサルの会社ということもあり、要望の引き出しが得意なメンバーが多く、沢山の要望をいただいています。
そこでいただく改善要望の対応もどんどん進めていますが、さらに優位性を高めるためにその要望の深層にある「本当に解決するべき問題/課題」を見つけてより大きな価値を提供したいと考えています。
その深層にある問題を明らかにするべく、データサイエンス部隊が絶賛分析中であるヘルススコア(どのような状態であれば継続して利用していただけるか?を示した値)も加味して分析を行える仕組みづくりをしていく予定です。
今後目指すもの
まだまだ CRE という仕事は誕生してから歴史が浅く、必要な能力がやや多岐にわたることもあり、定義がやや曖昧です。
そんな中で私たちは自分達のやっていることや自分達の組織が「これぞ CRE だ!」と業界で認知される存在になりたいと本気で思っています。