Link and Motivation Developers' Blog

リンクアンドモチベーションの開発者ブログです

CREのおしごと~サポートデザインチーム編~


はじめまして、リンクアンドモチベーション CREグループの渡辺です。

CREグループは、「顧客の信頼性を最大化する」というミッションを掲げ、3つのチームで構成されています。

今回はサポートデザインチームで行った、システム変更を通したカスタマーサポート生産性向上PJTのご紹介と学びを共有できればと思います。

CREのチームとミッション

サポートデザインチーム
カスタマーサポート全体の品質向上とROIを最大化する

UXライティングチーム
サポートコンテンツ・プロダクトのライティングを通して、顧客への提供価値を最大化する

エンジニアチーム
アプリケーション開発・改善を通して、顧客の不安を取り除き、サービスへの信頼を最大化する

 

他チームの取り組みは以下の記事をご参照ください。
CRE のおしごと - Link and Motivation Developers' Blog
CREのおしごと〜エンジニアチーム編〜 - Link and Motivation Developers' Blog

 

プロジェクト始動の背景

 

私は、もともとカスタマーサポート業務を行い、その後、カスタマーサポート全体のツール整備やプロセス整備を行う役割になりました。カスタマーサポートは、

  • お客様との信頼関係を築く重要な役割
  • 顧客が感じている不安・不満を一番近くで知り解消できる役割

と誇りを持つ一方で、日々、

  • メールの担当者を間違えずに選択する、という繰り返し業務
  • 送信先が間違っていないか、と神経を使い確認する業務

に追われていることに課題感をもっていました。課題はその都度、できる範囲での改善を繰り返していましたが、根本的な仕組みを変えなければ、これ以上の改善は難しいと感じていました。そこで

  • カスタマーサポートがお客様に発揮するべき価値に集中できる環境づくり
  • お客様からの声をプロダクトとサービスに還元するサイクルづくり

を目的に、利用システム変更PJTが始動しました。

 

PJT開始前と後で変わったこと

具体的には、以下のような課題をシステム変更によって改善しました。

 

■PJT開始前

  • 問い合わせ対応完了までに参照しなければいけないシステムが多い
  • メールの対応担当者を顧客管理システムで確認したのち、手動で担当者アサインをする
  • メーラーから問い合わせデータをエクスポートし、データ整備と編集をする

PJT開始前

■PJT終了後

 

メーラーと顧客管理システムを連携することで

  • 問い合わせ対応完了までに参照するシステム数が減った
  • メールの対応担当者アサインを顧客管理システムのデータを利用し一部自動化した
  • 顧客管理システムに蓄積されているデータ軸で問い合わせデータを分析ができるようになった
  • 問い合わせデータをダッシュボードで自動集計できるようになった

PJT終了後

運用開始までの事件簿

実は、運用を開始するまでに約2か月の遅延を発生させてしまいました。反省することは山のようにあるのですが、

  • 分かっているつもりで要求整理や要件定義を進めてしまったこと
  • 要件がねらった成果創出の基準に達しているか確認できていなかったこと

が遅延の大きな要因だったと思います。修正を行い現在は運用開始できていますが、上記について少し詳細をお伝えしたいと思います。

 

事件①

これなら前の方が良かった…

この言葉はシステムリリース後に、利用者からいただいた言葉です。要件は何回もすり合わせを行ったにも関わらず、利用者の意図した利用方法ができないことが発覚しました。なぜ考慮から漏れてしまったのかを振り返っていくと、

  • あまりにも当たり前のことはすり合わせ資料に落とし込めていなかった
  • その当たり前が利用者と要件を決める私との間でズレていた

ことが原因でした。当たり前と思っていることはヒアリングやオペレーション図にアウトプットされにくいので、必ず一次情報を見ることが重要だと感じました。

 

学び

ヒアリングやオペレーション図など受動的に得られるものだけで現状調査を終わらせずに一次情報を取りにいく

 

事件②

要求されたものを出したのに使われていない

たしかに要求されていた機能でしたが、利用されていない状況が発覚しました。その原因は、要件だけをすり合わせてしまい、要件と得たい成果のつながりを確認できていなかったからだと考えています。

 

「これをしたらこうなりますが、問題ないですか?」とすり合わせるのではなく
「これをしたらこうなります。このことで目的が達成されますか?」とすり合わせる

と無駄な仕様が少なくなるなと感じました。

 

具体的には、

この部分はメールの振り分けをなくすという目的の仕様で、ここをこう操作すると自動で担当者に割り振られるようになります。この仕様によってメールの振り分けはなくなったといえますか?

とすり合わせるイメージです。

 

学び

要件のすり合わせは得たい成果とセットで行い、利用者に基準を満たしているのか判断してもらう

 

たくさんのトラブルがあったのですが、周囲の皆さんのご協力のおかげで無事、運用を開始することができました。

記事を書いていると「そんなの当たり前では?」と自分でも思います(´;ω;`)

でも、実際にやってみると意外と難しいですし、同じような落とし穴に落ちる方は多いのではないかなとも思います。この記事がみなさんのしくじり先生としてお役に立てると嬉しいです。

また、PJTはひと段落はつきましたが、今後もカスタマーサポート生産性向上、品質向上のために新たな仕掛けも考えていますので、今回の学びをいかしていきたいと思います!