はじめに
こんにちは。リンクアンドモチベーションでバックエンドエンジニアをしている中﨑です。
2023年の6月にGPTを活用して、アンケートの回答結果を分類・要約をする機能のβ版をリリースしました🎉
この開発を進める中で、開発速度を加速させることができた4つのポイントについて執筆させていただければと思います。
プロジェクトの制約
本題に入る前に、このプロジェクトでの制約について簡単に説明させていただきます。
弊社の開発組織では、「GPT Boot Camp」と称して、GPTなどのLLMを用いて機能開発をするという取り組みを実施しました。
このGPT Boot Campでは以下の2つの制約のもと行われました。
- 要件定義からリリースまでを3週間ですること
- β版としてリリースをすること
それぞれの狙いとして、
- GPTが登場する前までの開発の仕方や考え方を取り除き、新たな開発へと進化させるためのタイムボックス制約
- 使われないものを生み出さないためにMVPで開発をする
がありました。
上記の制約のもと、私のチームが開発速度をあげるために有効だった5つについて紹介させていただければと思います。
他のGPT Boot Campは下記をご覧ください!
意思決定を即座にできる体制をつくる
方向性に迷った際に意思決定が数日後にしかできないという状況では、3週間でリリースをするということが困難でした。
そのため、即時で意思決定をできるように3つのことをしました。
- ミーティングの中でしか、意思決定できないという固定概念をなくす
- 各領域(要件・デザイン・開発)での責任者を立てる
- 常にコミュニケーションを取れる状態を実現する
これまでの開発では、要件やデザインなどの変更などはミーティングの中で行われることがほとんどでしたが、
それでは意思決定までのスピードが失われてしまうため、「いつでも意思決定ができるし、実際にしても良い」ということを予めチームの共通認識としました。
また、いつでも意思決定ができるように責任者を含むプロジェクトメンバーは常に対面でのコミュニケーションをとれるようにしました。
リモートワークでもコミュニケーションが簡単にとれるよう、弊社ではGatherというサービスを利用しています。
Gatherの活用については以下の記事を御覧ください。
link-and-motivation.hatenablog.com
ターゲットを1つに絞る
開発する機能の要件やデザインを精緻にするために、インタビューする顧客を1社に絞って実施しました。
1社に絞る理由
- その1社をより深く顧客を理解する
- 要件の方向性にブレを発生しにくくする
- 1社に複数回インタビューを実施し、フィードバックサイクルを短くする
これまでは、複数の顧客を対象にインタビューを実施し、要件・デザインの精緻化をしていましたが、
1社に絞ることで顧客に届けたい価値が明確になり、「顧客」を主語とした会話がこれまで以上に増えた気がしています。
常に視界を揃えること
3週間で開発を進めると、昨日までの決定事項が次の日には変わっているというような状況だったため、常に視界を揃える必要がありました。
具体的な取り組み
- 状況共有のミーティングを1日2回設定し、視界を一致させる
- 要件やデザインの変更は、いつ/どういう背景で/どの様に変更をしたのか がわかるようにドキュメンテーションをする
- 作業や進捗状況をSlackで発信し続ける
取り組んだ内容としては、ごく普通で当たり前なことばかりですが、
視界を揃えるという目的を明確にしたことで、記録の仕方や伝え方がアップデートしたように感じています。
細かくゴール設定をする
要件やデザインの変更、3週間でリリースするという制約などに適応しながら開発を進めるために、細かくマイルストーンを設定するようにしました。
これまでであれば、「今スプリントは〇〇の実装をする」というようなタスクの期日設定をしていましたが、本プロジェクトでは
- 半日後のゴールを設定する
- 具体的ですぐに行動ができるレベルまで細かくする
のようにタスクを細かく設定し、進捗の共有を前述したミーティングの中で確認をしていました。
まとめ
プロジェクトを振り返ってみると、3週間で機能開発をするという制約があることで、 これまでの当たり前を疑い、"どうやったらできるのか?"と考えるきっかけになりました。
今後の開発でも、小さなアクションの積み重ねをしていき、顧客に価値をとどけていきたいと思います!
読んでいただきありがとうございました!