Link and Motivation Developers' Blog

リンクアンドモチベーションの開発者ブログです

チームトポロジーで描く、リンクアンドモチベーション開発組織の4年間の歩み

はじめに

リンクアンドモチベーションでSRE/QAチームのEMをしている河野です。 本記事では、SREチームから見た開発組織の変遷をチームトポロジーを用いて解説します。

チームトポロジーとは

一言でいうと、「ソフトウェア開発体制の"定石"をモデル化したもの」です。これにより、組織におけるパターンランゲージ(共通言語)として扱うことができます。

詳しくは2022/3/16に行われたイベント「チームトポロジーを成功させる実践方法の探求」の資料と動画が分かりやすいのでそちらを参照ください。

slide.meguro.ryuzee.com

timee.notion.site

www.youtube.com

Ph1. 内製化開始

時期: 2018年-2019年
社員数: 4-16名

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2018年から開発組織の内製化を開始しました。 パートナーさんの力を借りながら、研修やOJTを通じて新卒をエンジニアとして育成をはじめました。 中途のシニアも数名JOINしましたが、当時はジュニア: 8に対してシニア: 2の比率でした。 ミドル層もおらず、EMが炎上プロジェクトの立て直しに奔走する日々でした。 当時は負債も多く、何をするにも不確実性がつきまといました。

このカオスな時期をどのように乗り越えたか、詳しくは以下の資料を参照ください。 speakerdeck.com

Ph2. 専門性の確立

時期: 2020年-2021年春
社員数: 31名

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ミドル層の採用や新卒の育成が進み、専門性が確立されはじめました。 開発チームは職能別で括られ、職種間でのコラボレーションモードで対応する体制になります。 2020年夏にはSREが設立されます。4key metricsやDX Criteriaを活用し、開発組織の生産性とプロダクトの信頼性の計測と改善を行うようになります。 コンテナアーキテクチャへの移行やCI/CD改善を経て、デプロイ頻度やリリース作業時間が大幅に改善。結果、4key metrics基準でローパフォーマー→ミドルパフォーマーへと進化しました。

開発者体験と生産性向上の取り組みについて、詳しくは以下の記事を参照ください。 qiita.com

Ph3. ミッションによる統合

時期: 2021年夏-2021年末
社員数: 46名

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組織は拡大していき、順調にできることが増えました。 一方、"チーム間のコミュニケーションコストが高い"、"事業理解やチームの成熟度が高まりづらい"といった不具合が発生しはじめました。 そこで、2021年下期から「ミッション統合型」の組織に再編。チームを「職種」ではなく「事業やプロダクトの発展において重要な“ミッション”」で束ね直しました。

横断組織も確立されていきます。 プラットフォームチームが設立され、認証基盤や組織基盤といったサブシステムの提供をはじめます。 SREは開発チーム固有の課題を解決するため、コラボレーションモードへ移行しました。 QAチームがテスト基盤を提供するため、Autifyの導入推進をしたのもこの時期です。

この時期から、組織の成熟とメンバーの成長が進み、徐々にEMの介入が少なくなりました。

職種→ミッション体制への再編については以下の記事で詳細が書かれています。 link-and-motivation.hatenablog.com

Ph4. 超高速なPDCA で 複数事業を主導できる組織

時期: 2022年-
社員数: 63名(予想)

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ここからは未来の話です。 今後の事業と組織のさらなるスケールを想定し、私たちは"超高速なPDCA で 複数事業を主導できる組織"を目指す姿としました。 重点テーマとして、"開発ケイパビリティの向上"、"データドリブン経営"、"デザイン思考"、"再利用可能な仕組み"を掲げ、組織開発を進めています。

直近で取り組もうとしているアクションは以下の通りです。

①サービス間のデータを繋げ、新たな価値の提供
 └ 基盤構築によるデータの統合と分析

②事業成果の創出を加速させる最適な節理面の模索
 └ ストリームアラインドチームとサービスの分割

③SRE/QAチームの分割
 └ サービス固有の生産性/信頼性課題を解決するService SRE/QA
 └ スケーラビリティ/セキュリティに関する将来課題を解決するPlatform SRE/QA

④データの民主化
 └ 脱ボトルネック!依頼殺到に疲弊したデータチームが取るべき組織形態と役割定義 - Link and Motivation Developers' Blog

おわりに

いかがでしたでしょうか。 チームトポロジーという共通言語により、私たち開発組織の歩みが伝われば幸いです。

最後まで読んでくださりありがとうございます。