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プロダクト英語化のステップとポイント

はじめに

プロダクト開発をしていると、日本だけでなく海外でのサービス展開を考えて英語対応を検討することもあると思います。しかし、初めて行う場合、どのように進めれば良いかわからないこともあるのではないでしょうか?

この記事では、弊社のStretchCloudを英語化した際のステップとポイントを紹介します。

ステップ

社内に英語が堪能な方(ネイティブとして会話ができる、英語のUXライティングのスキルがある方)がいないため、翻訳会社の力を借りることにしました。以下がステップになります。

1. 翻訳会社の選定

翻訳会社の候補を洗い出し、自分達のプロダクトチームと相性の良い翻訳会社を選定します。

2. 見積の依頼

今回英語化したいプロダクトや機能の日本語を洗い出し、期間と金額の見積を依頼します。多くの翻訳会社では、翻訳する文字量に応じて金額と期間が増減します。

3. 翻訳の依頼

正式に翻訳会社に依頼します。文字量によりますが、私達の場合は数日〜数週間で返ってくることが多かったです。

4. 翻訳文言とUIのチェック

翻訳された英語を下記の観点でチェックします。

  • 意図やニュアンスが異なっていないか
  • 誤字脱字がないか
  • UIのデザイン崩れが発生しないか

3点目について、英語は日本語の2倍程度の文字数になるため、UI上でデザイン崩れが発生するケースがあります。デザインデータを英語に差し替えるか、テスト環境に英語をエンジニアに流し込んでもらい、デザイン崩れが発生しないか確認し、崩れていた場合はUIを修正します。

上記を確認した後、翻訳会社に修正の依頼をします。

5. 実装

英語が確定し、必要なデザイン修正が完了したら、エンジニアに伝えて実装してもらいます。

ポイント

1. 英語のクオリティ担保

ここでのクオリティとは、「英語話者にも違和感なく伝わること」とします。クオリティを維持する方法は、コンテンツの種類に応じて変わると思っています。

  • UIラベル以外の文章
    • 翻訳会社の利用
  • UIラベル
    • 翻訳会社の利用 + 英語圏プロダクトのUIラベルをリファレンス

UIラベルについては、英語圏プロダクトも併せてリファレンスを行い、適切なラベルを検討しました。なぜなら、翻訳会社はUXライティングの専門家であるとは限らないからです。自社と同じドメイン(業界)のプロダクトやGoogleなどのグローバルでデザインに力を入れているプロダクトなどを参考にしました。

2. 金額と期間

翻訳の量によって変動しますが、量が多い場合は高額になり、期間も数週間以上は見ておいた方が良いです。早めのスケジューリングや予算の確保が重要だと思います。

3. 用語集の作成

プロダクト全体での表記揺れを防ぐため、日本語 - 英語の用語集を作成し、チーム内はもちろん、翻訳会社とも共有しています。翻訳を進める中で「『次へ』ボタンってNextとContinueのどちらを使うのか?」と迷うことも起きるので重宝します。

まとめ

如何でしたでしょうか?

最近ChatGPTやDeepL等の機械翻訳の精度もかなり上がってきているので、動向をチェックしていきたいと思います。

英語化について少しでもイメージが掴むことができ、皆さんのプロダクトのお役に立てれば幸いです!